中学校歴史教科書(全8社)の朝鮮関係記述についての検討 朝鮮史研究会幹事会教科書検討小委員会 2005年10月11日:検討結果を公表しました。 1.教科書の検討結果を公表するにあたって 現在、中学校歴史教科書の検定と採択をめぐって、議論がなされています。なかでも、日朝関係にかかわる事項はこの議論の焦点の一つとなっています。 教科書の内容をめぐっては、すでに歴史教育、あるいは歴史研究の立場から多くの検討がなされています。朝鮮史研究会幹事会でも、いわゆる「教科書問題」にいかに対応すべきかについて、継続して議論を行なってきました。 その結果、私たちは、朝鮮史研究の立場から歴史教科書の記述について検討し、これを公表することが必要であると判断しました。具体的には、教科書の記述に見られる歴史的事実が正しいかどうかという問題と、その評価が妥当であるかどうかについて、近年の研究成果に照らして検討するということです。 私たちの検討は、2005年の教科書検定を通過した全8社すべての歴史教科書を対象としています。それは、第一に、各時代別の具体的な検討から明らかになる通り、それぞれの歴史教科書はほぼ同じ歴史的事項を扱いながらも、その一つ一つについての重点の置き方、記述の方法、評価がおのおの異なっており、これを具体的に比較することが各教科書の特色を浮き彫りにすることにつながると考えたためです。第二に、教科書全てについて検討することが、現在の歴史教科書全体が抱えている問題を明らかにすることにつながると考えたためでもあります。なお、地理・公民など、他の中学校教科書の記述については検討の対象としていません。 もとより、教科書の記述が、厳しい字数の制限と文部科学省の検定を前提として書かなければならないという制約を受けており、多くの執筆者がこうした制限・制約のもとで、簡潔でありながらもできるかぎり正確な叙述を行なうために努力をされていること、したがって、その記述の問題を一概に執筆者の責任として考えることはできないということを、私たちは理解しております。 しかし、教科書は、いうまでもなく中学校の生徒が歴史に学び歴史意識を育てるための中心的な教材であり、歴史を教える教員の側にとっても、どの教科書を使用するのかは、指導方法にも関連する重要な問題です。したがって、上述の制限・制約の存在を理解しつつも、私たちの見解を申し述べることには一定の意味があると考えます。私どもの検討を、教科書を実際に使う際の参考として役立てて頂けるようでしたら幸いです。 後述するように、検討を行なうにあたっては、検討の対象とする時期を便宜的に5つに区分し、これを5人のコメンテーターが担当していますが、教科書の引用、コメント等についての最終的な責任は、朝鮮史研究会幹事会教科書検討小委員会にあります。また、この検討内容について無断での転載を禁止します。 このホームページに関するお問い合わせは、現在のところ、下記の「本ウェブ・ページの構成および凡例」の末尾に記したメールのみにて受け付けております。御了解下さい。 2.目次 ファイルはPDFで作成したものです。 古代~高麗 ・総論 ・表(教科書の引用とコメント) (1)朝鮮半島との外交 (2)渡来人の活躍と仏教伝来について (3)大宝律令の制定について 朝鮮1(朝鮮~開港) ・総論 ・表(教科書の引用とコメント) (1)豊臣秀吉の朝鮮侵略 (2)征韓論 朝鮮2(日清戦争~韓国併合) ・総論 ・表(教科書の引用とコメント) (1)日清戦争 (2)日露戦争 (3)韓国併合 植民地期 ・総論 ・表(教科書の引用とコメント) (1)三・一独立運動 (2)関東大震災における朝鮮人殺害 (3)皇民化政策・戦時動員 解放後(現代) ・総論 ・表(教科書の引用とコメント) (1)解放・分断国家の成立 (2)朝鮮戦争 (3)日韓国交正常化 (4)日朝関係 (5)戦後補償 (6)在日朝鮮人 3.本ウェブ・ページの構成および凡例 (1)ウェブ・ページの構成について: このウェブ・ページにおける構成は、古代~高麗、朝鮮1(~開港)、朝鮮2(甲午農民戦争~韓国併合)、植民地期、現代(解放後)の5つとなっています。この5つの項目にはそれぞれ、教科書全般の記述の傾向について記した「総論」と、教科書の原文とこれについてのコメントを記した「表」とを掲載しています。表中の教科書の配列は出版社の名称をアイウエオ順に並べています(大阪書籍、教育出版、清水書院、帝国書院、東京書籍、日本書籍新社、日本文教出版、扶桑社、の順)。 なお、表の掲載にあたっては、さしあたり特に重要と思われるトピックのみとしております。その他の朝鮮関連の記述については、後日を期したいと思います。また、今後、さらに検討を深める中で、各総論・コメント等の内容を変更・拡充する予定です(更新については冒頭の“update”を参照)。 (2)ファイル形式について: 総論・表ともにPDFファイル形式となっております。閲覧にあたっては、アクロバット・リーダー、アドビ・リーダーなど、PDFファイルを読むためのソフトが必要となります。アクロバット・リーダーのVer.5.0以上で閲覧できるように、最適化しています。 (3)引用・表記方法: 教科書の引用にあたっては、統一を図るために一部の表記を変更している部分があります。他方、各担当者の執筆上の必要により、個々に表記の変更を行なっている部分があります。 また、教科書出版社を略記する場合は、以下のように統一しています。 大阪書籍→大書、教育出版→教出、清水書院→清水、帝国書院→帝国、東京書籍→東書、 日本書籍新社→日書、日本文教出版→日文、扶桑社→扶桑。 (4)お問い合わせについて: このウェブ・ページの内容についてのお問い合わせは、下記のメールのみにて受け付けております。ご質問については、できるかぎりお答えするようには致しますが、かなり時間がかかることが予想されます。また、ご質問の内容により、ご返事が難しい場合もあります。事務局宛の手紙やファックス等にはお答えしかねます。この点もご了承下さい。 メールでのお問い合わせはこちら (5)その他: 教科書の引用、コメント等についての最終的な責任は、朝鮮史研究会幹事会教科書検討小委員会にあります。また、この検討内容について無断での転載を禁止します。
中学校歴史教科書(全8社)の朝鮮関係記述についての検討
朝鮮史研究会幹事会教科書検討小委員会
2005年10月11日:検討結果を公表しました。
1.教科書の検討結果を公表するにあたって
現在、中学校歴史教科書の検定と採択をめぐって、議論がなされています。なかでも、日朝関係にかかわる事項はこの議論の焦点の一つとなっています。
教科書の内容をめぐっては、すでに歴史教育、あるいは歴史研究の立場から多くの検討がなされています。朝鮮史研究会幹事会でも、いわゆる「教科書問題」にいかに対応すべきかについて、継続して議論を行なってきました。
その結果、私たちは、朝鮮史研究の立場から歴史教科書の記述について検討し、これを公表することが必要であると判断しました。具体的には、教科書の記述に見られる歴史的事実が正しいかどうかという問題と、その評価が妥当であるかどうかについて、近年の研究成果に照らして検討するということです。
私たちの検討は、2005年の教科書検定を通過した全8社すべての歴史教科書を対象としています。それは、第一に、各時代別の具体的な検討から明らかになる通り、それぞれの歴史教科書はほぼ同じ歴史的事項を扱いながらも、その一つ一つについての重点の置き方、記述の方法、評価がおのおの異なっており、これを具体的に比較することが各教科書の特色を浮き彫りにすることにつながると考えたためです。第二に、教科書全てについて検討することが、現在の歴史教科書全体が抱えている問題を明らかにすることにつながると考えたためでもあります。なお、地理・公民など、他の中学校教科書の記述については検討の対象としていません。
もとより、教科書の記述が、厳しい字数の制限と文部科学省の検定を前提として書かなければならないという制約を受けており、多くの執筆者がこうした制限・制約のもとで、簡潔でありながらもできるかぎり正確な叙述を行なうために努力をされていること、したがって、その記述の問題を一概に執筆者の責任として考えることはできないということを、私たちは理解しております。
しかし、教科書は、いうまでもなく中学校の生徒が歴史に学び歴史意識を育てるための中心的な教材であり、歴史を教える教員の側にとっても、どの教科書を使用するのかは、指導方法にも関連する重要な問題です。したがって、上述の制限・制約の存在を理解しつつも、私たちの見解を申し述べることには一定の意味があると考えます。私どもの検討を、教科書を実際に使う際の参考として役立てて頂けるようでしたら幸いです。
後述するように、検討を行なうにあたっては、検討の対象とする時期を便宜的に5つに区分し、これを5人のコメンテーターが担当していますが、教科書の引用、コメント等についての最終的な責任は、朝鮮史研究会幹事会教科書検討小委員会にあります。また、この検討内容について無断での転載を禁止します。
このホームページに関するお問い合わせは、現在のところ、下記の「本ウェブ・ページの構成および凡例」の末尾に記したメールのみにて受け付けております。御了解下さい。
2.目次
ファイルはPDFで作成したものです。
古代~高麗
・総論
・表(教科書の引用とコメント)
(1)朝鮮半島との外交
(2)渡来人の活躍と仏教伝来について
(3)大宝律令の制定について
朝鮮1(朝鮮~開港)
・総論
・表(教科書の引用とコメント)
(1)豊臣秀吉の朝鮮侵略
(2)征韓論
朝鮮2(日清戦争~韓国併合)
・総論
・表(教科書の引用とコメント)
(1)日清戦争
(2)日露戦争
(3)韓国併合
植民地期
・総論
・表(教科書の引用とコメント)
(1)三・一独立運動
(2)関東大震災における朝鮮人殺害
(3)皇民化政策・戦時動員
解放後(現代)
・総論
・表(教科書の引用とコメント)
(1)解放・分断国家の成立
(2)朝鮮戦争
(3)日韓国交正常化
(4)日朝関係
(5)戦後補償
(6)在日朝鮮人
3.本ウェブ・ページの構成および凡例
(1)ウェブ・ページの構成について:
このウェブ・ページにおける構成は、古代~高麗、朝鮮1(~開港)、朝鮮2(甲午農民戦争~韓国併合)、植民地期、現代(解放後)の5つとなっています。この5つの項目にはそれぞれ、教科書全般の記述の傾向について記した「総論」と、教科書の原文とこれについてのコメントを記した「表」とを掲載しています。表中の教科書の配列は出版社の名称をアイウエオ順に並べています(大阪書籍、教育出版、清水書院、帝国書院、東京書籍、日本書籍新社、日本文教出版、扶桑社、の順)。
なお、表の掲載にあたっては、さしあたり特に重要と思われるトピックのみとしております。その他の朝鮮関連の記述については、後日を期したいと思います。また、今後、さらに検討を深める中で、各総論・コメント等の内容を変更・拡充する予定です(更新については冒頭の“update”を参照)。
(2)ファイル形式について:
総論・表ともにPDFファイル形式となっております。閲覧にあたっては、アクロバット・リーダー、アドビ・リーダーなど、PDFファイルを読むためのソフトが必要となります。アクロバット・リーダーのVer.5.0以上で閲覧できるように、最適化しています。
(3)引用・表記方法:
教科書の引用にあたっては、統一を図るために一部の表記を変更している部分があります。他方、各担当者の執筆上の必要により、個々に表記の変更を行なっている部分があります。
また、教科書出版社を略記する場合は、以下のように統一しています。
大阪書籍→大書、教育出版→教出、清水書院→清水、帝国書院→帝国、東京書籍→東書、
日本書籍新社→日書、日本文教出版→日文、扶桑社→扶桑。
(4)お問い合わせについて:
このウェブ・ページの内容についてのお問い合わせは、下記のメールのみにて受け付けております。ご質問については、できるかぎりお答えするようには致しますが、かなり時間がかかることが予想されます。また、ご質問の内容により、ご返事が難しい場合もあります。事務局宛の手紙やファックス等にはお答えしかねます。この点もご了承下さい。
メールでのお問い合わせはこちら
(5)その他:
教科書の引用、コメント等についての最終的な責任は、朝鮮史研究会幹事会教科書検討小委員会にあります。また、この検討内容について無断での転載を禁止します。