研究会情報
ハラスメント防止関係

朝鮮史研究会ハラスメント防止宣言

 朝鮮史研究会(以下、本会という)は、ハラスメントが人権を侵害し、研究の権利等を侵害するものという認識にたち、本会においてその発生を防止し、万一発生した場合は適切に対応することで、誰もがその尊厳と人権が守られ、安心して参加できる研究活動を保障することを宣言します。

 本会は、対面・オンラインを問わず、本会主催・共催・後援の各会合及び本会との関わりで行われるあらゆる活動において、会員・非会員を問わずすべての参加者に以下のハラスメント行為を防止する行動を求めます。

1.本会主催・共催・後援で開催される例会・大会・総会・懇親会及び本会との関わりで行われるあらゆる活動において、本会会員・登壇者・参加者に対し、セクシュアル・ハラスメント、レイシャル・ハラスメント、アカデミック・ハラスメント、パワー・ハラスメント等、相手に身体的または精神的苦痛を与え、尊厳を侵害する行為をしない。

2.これらの行為の防止に努め、万が一これらの行為について、ハラスメントを受けたと感じた者からハラスメント相談窓口に連絡があった場合には、「朝鮮史研究会におけるハラスメント対策等に関する規程」に基づき、厳正に対処する。

 本会ではこれら行為を防止するために尽力し、あらゆるハラスメントを容認しないことをここに宣言します。

              2025年10月18日

朝鮮史研究会

朝鮮史研究会におけるハラスメント対策等に関する規程

2025年10月18日

第1条 目的

この規程は、朝鮮史研究会ハラスメント防止宣言にのっとり、ハラスメントが人権を侵害し、研究の権利等を侵害するものという認識にたち、朝鮮史研究会(以下、本会という。)においてその発生を防止し、事後には適切に対応することで、誰もがその尊厳と人権が守られ、安心して参加できる研究活動を保障するために、必要な事項を定める。

第2条 適用範囲

この規程は、次に定める範囲に適用する。

(1) 適用対象活動

本会の活動との関わりで行われるあらゆる活動を対象とし、それら以外には適用されない。本会との関わりで行われる活動とは、基本的に以下を指し、オンライン上のコミュニケーション等、非対面の活動も含む。

ア 例会、大会、総会、懇親会、また本会が主催・共催・後援その他の仕方で関与するシンポジウム・講演会等のイベントに関わるあらゆる活動

イ 幹事による会議体(以下、幹事会という。)、論文集編集委員会の業務に関わる活動

(2) 適用の客体

原則として本会会員を適用の客体とする。ただし(1)に示した諸活動であれば、当該行為者ならびにその相手方がすべて会員である必要はない。

(3) 適用対象行為

正当な理由なく相手に身体的または精神的苦痛を与え、尊厳を侵害するすべてのハラスメント行為(セクシュアル・ハラスメント、レイシャル・ハラスメント、アカデミック・ハラスメント、パワー・ハラスメント等)を適用対象とする。個々のハラスメント行為認定にあたって準拠する基準は次の通りとするが、限定列挙ではない。

ア 本会が加盟している日本歴史学協会のハラスメント防止ガイドライン

イ 労働施策総合推進法、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法及び各法のハラスメントに関する厚生労働大臣指針

ウ 人事院規則10-10(セクシュアル・ハラスメントの防止等)、同10-16(パワー・ハラスメントの防止等)

エ 男女共同参画社会基本法、ヘイトスピーチ解消法、障害者差別解消法、部落差別解消推進法、LGBT理解増進法等の差別解消を目的とした法令

オ 仕事の世界における暴力及びハラスメントの撤廃に関する条約(ILO190号条約・日本未批准)等の国際基準

第3条 防止及び啓発活動

本会はハラスメントの発生を防止するため、次のような啓発活動を行う。

(1) 例会、大会等の機会に朝鮮史研究会ハラスメント防止宣言を周知する。

(2) 会員の知識や意識の向上を目的とする研修の機会を定期的に開催する。

(3) その他、必要と認めた事業を実施する。

第4条 相談体制

1 本会に、ハラスメント対応の窓口として相談員(以下、相談員という。)を置く。第2条で定める適用範囲内において、ハラスメントを受けたと感じた者は相談員に相談することができる。

2 相談員は4名とし、総会で選出する。ただし、年度の途中で欠員が出た場合は幹事会で選出し、その直後に開催された総会で承認を得るものとする。選出にあたっては、ジェンダーバランスに配慮する。

3 会長、幹事長、関西部会代表幹事、編集委員会の代表者は、相談員を兼ねることができない。

4 相談を受けた相談員は、本条第7項に定める相談員会議を経て、他の相談員と協力し、事実認定を前提とせず、次のような措置を取ることができる。

(1) 相談員に相談を申し出た者(以下、相談者という。)へのヒアリング、助言・情報提供。

(2) ハラスメントの行為者とされた者(以下、行為者という。)へのヒアリング、自省・気づきのための通知(注意、警告)。

(3) 相談者・行為者間の調整(遭遇回避の環境調整、モニタリング、謝罪斡旋等)。

(4) 緊急措置の必要性判断、及び幹事長への措置実施の要請。

(5) 必要な場合は、会長・幹事長・関西部会代表幹事との情報共有、及び相談者や行為者の所属機関との連携・連絡調整。

(6) その他、相談者を保護するために必要な措置。

5 相談員の任期は1年とし、再任を妨げない。年度の途中で選出された相談員の任期は、前任者の残任期間とする。

6 相談を受けた相談員は、事案の内容に応じて、相談員会議を招集することができる。ただし、相談員に行為者または行為者と利害関係にある者が含まれる場合、当該相談員は相談員会議に加わることができない。

7 相談員会議では、合議の上、次のような措置を取ることができる。

(1) 本条第4項各号に関する方針の決定、及びそれにともなう相談者・行為者ほか関係者への対応。

(2) 第5条に定めるハラスメント対策委員会への調査及び認定等に関する判断の上申。

8 本条第4項(4)に基づき相談員が幹事長へ緊急措置を要請した場合、幹事長はただちに必要な措置を取ることができる。

第5条 調査・認定体制

1 本会に、ハラスメントの事実調査とそれにもとづく必要な措置を講じるため、ハラスメント対策委員会(以下、委員会という。)を置く。

2 委員会は、次に定める者(以下、委員という。)により構成される。ただし、(2)の選出にあたってはジェンダーバランスに配慮する。

(1) 第4条で定める相談員4名。

(2) 総会で選出された会員2名。ただし、会長、幹事長、関西部会代表幹事、編集委員会の代表者を選出することはできない。年度の途中で欠員が出た場合は幹事会で選出し、その直後に開催された総会で承認を得るものとする。

3 委員の任期は1年とし、再任を妨げない。年度の途中で選出された委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 委員会は、第4条第7項(2)に定める相談員会議からの上申にもとづき、以下の事項を実施する。ただし、委員に行為者または行為者と利害関係にある者が含まれる場合、当該委員は実施に加わることができない。また、実施にあたっては、相談者・行為者のいずれの側にも偏らないよう、担当する委員の配置等に格別の注意を払わなければならない。

(1) 当該事案の事実に関する調査。必要と認めた場合は、相談者、行為者及びその他関係者からの公正なヒアリングの実施。

(2) 必要と認めた場合は、相談者・行為者間の調停。

(3) 相談のあった行為がハラスメントに該当するかどうかの認定。

(4) (3)の認定結果にもとづいた、相談者の不利益回復や環境の改善、及び行為者の処分等に関する幹事会あての提案。

5 委員会は、委員の資質や技能の向上を目的とする研修の機会を定期的に開催する。

6 委員会が必要と認めた場合は、第三者として弁護士などに助言を求めることができる。

7 委員会が必要と認めた場合は、会長・幹事長・関西部会代表幹事との情報共有、相談者や行為者の所属機関との連携・連絡調整を行うことができる。

8 委員会は、幹事会に対し、第3条(2)に定める会員対象の研修の実施計画を提案するほか、同条(3)に定めるハラスメント発生を防止するために必要な啓発事業の実施を勧告することができる。

第6条 処分・自粛要請

1 幹事会は、第5条第4項(4)に定める委員会の報告に基づき、行為者に対し、以下のいずれかの処分を科すことができる。ただし、幹事に行為者または行為者と利害関係にある者が含まれる場合、当該幹事は幹事会での審議に加わることができない。

(1) 行為者が会員である場合

ア 除名

イ 退会勧告

ウ 会員の全資格停止(期間は事案ごとに決定する)

エ 会員の一部資格停止(資格・期間は事案ごとに決定する)

オ 会長、幹事長、関西部会代表幹事、幹事、編集委員等の職の解任

カ 会長による注意

(2) 行為者が会員ではない場合

ア 本会主催行事(例会、大会、懇親会等)への参加禁止(期間は事案ごとに決定する)

イ 会報等への投稿禁止(期間は事案ごとに決定する)

2 前項の処分を行った場合、幹事会は被処分者の属性に関する情報を,個人が識別されない内容のものとすることを基本として、総会に報告する。とくに前項(1)の会員に対する処分は、総会に報告した内容を本会ホームページで公表する。ただし、相談者またはその関係者のプライバシー等の権利利益を侵害するおそれがある場合は,公表内容の一部または全部を公表しないことがある。

3 第1項(1)に定めるアまたはイの処分を受けた者は、爾後、本会への再加入や本会主催行事への参加など、一切の本会への接触を禁じる。

4 第1項の処分とは別に、相談者が安心して研究会活動に参加できるよう、幹事会は行為者に対し、本会活動への参加や相談者への接触の自粛などを要請することができる。期間・条件等は事案ごとに決定する。

5 勤務先や他の学協会などで処分を受けた会員に対しては、前項を準用することができる。

第7条 告知及び不服申立

1 会長は、ハラスメント認定の調査結果及び処分、自粛要請等の内容について、相談者及び行為者に対し速やかに書面により告知する。

2 前項の告知内容について不服がある者は、告知を受けた日の翌日から2週間以内に,書面により会長に不服を申立てることができる。

3 前項の不服申立を受けた会長は、不服申立の内容を幹事会に報告し、幹事会での再議を求める。

4 幹事会は、前項の会長からの求めに応じて再議を行い、その結果を会長に報告する。

5 会長は、前項の幹事会からの再議結果の報告の内容を不服申立人及び相手方の双方に対し速やかに書面により告知する。

第8条 プライバシーの保護

相談員、委員、幹事、会長は、それぞれの職務遂行にあたって、相談者のプライバシーを保護し,人権を侵害しないよう十分に配慮しなければならない。

第9条 不利益取扱いの禁止

本会役員をはじめ本会の活動に参加する者は、会員・非会員を問わず、ハラスメントの相談や調査への協力等、この規程の目的に沿った行為を行った者に対し,そのことを理由として不利益な取扱いをしてはならない。

第10条 改廃

この規程の改廃は、本会総会の決議を経て行う。

付則

この規程に定めるもののほか、ハラスメントの防止及び事後の対応に関し必要な事項は、別に定める。

朝鮮史研究会におけるハラスメント対策等に関する規程細則

2025年10月18日

第1条 この細則は、朝鮮史研究会におけるハラスメント対策等に関する規程(以下、規程という。)の詳細について必要な事項を定める。

第2条 規程第3条(2)に定める会員対象の研修の機会と、同第5条第5項に定めるハラスメント対策委員会委員(以下、委員という。)対象の研修の機会は、原則として隔年で開催する。

第3条 規程第4条に定める相談員は氏名とともに、朝鮮史研究会(以下、本会という。)が定めたメールアドレスを連絡先として公表する。

第4条 規程第4条第1項でいう「ハラスメントを受けたと感じた者」以外の者から相談員にハラスメント行為に関する通報があった場合、当該相談員は、相談員会議での検討、会長・幹事長・関西部会代表幹事への相談など、必要な措置を取ることができる。

第5条 1 規程第4条第4項(5)に基づき、相談員会議は同条第7項(2)に定めるハラスメント対策委員会への上申に至らない場合であっても、会長・幹事長・関西部会代表幹事に当該事案の措置の結果について報告することができる。

2 規程第5条第7項に基づき、ハラスメント対策委員会は同条第4項(4)に定める幹事会への提案に至らない場合であっても、会長・幹事長・関西部会代表幹事に当該事案の措置の結果について報告することができる。

第6条 規程第4条第5項、及び同第5条第3項に定める通り、相談員及び委員の任期は1年であるが、原則として3期連続してつとめるものとする。ただし規程制定後、最初に選出された相談者及び委員については年度ごとの段階的交替を行うため、1期または2期連続のみの在任を認める。

第7条 規程第4条第6項、同第5条第4項、同第6条第1項でいう「利害関係にある者」は、相談者の意向をふまえたうえで、次の機関が決定する。

(1) 規程第4条第6項については、相談員会議。

(2) 規程第5条第4項については、ハラスメント対策委員会。

(3) 規程第6条第1項については、ハラスメント対策委員会と会長、幹事長、関西部会代表幹事の合議。

第8条 規程第5条第4項(1)の事実調査は、原則として相談を受けた相談員を除く3名の委員が協同して実施する。とくにヒアリングは、必ず2名以上で実施する。

第9条 規程第6条第1項(1)ウ及びエでいう会員の資格とは、次の各号を指す。

(1) 本会主催行事(例会、大会、総会、懇親会等。非会員に開放された行事も含む。)への参加。

(2) 本会が発行する刊行物(論文集、会報等)への投稿、原稿掲載。

(3) その他、幹事による会議体(以下、幹事会という。)が定める本会の活動に関わる行為。

第10条 規程第6条第4項の実施にあたっては、幹事会が指定する担当者が具体的内容に関する選択肢を用意した上で、相談者・行為者の意向を確認する。

第11条 勤務先や他の学協会などから、本会での相談、調査、処分等の内容に関して情報提供を要請された場合、当該事案の関係者の同意なしには、これに応じない。

第12条 この細則の改廃は、幹事会の決議を経て行う。