2004年10月16日(土)・17日(日) 会場:東京経済大学6号館7階大会議室 (JR中央線国分寺駅南口より徒歩13分) 交通アクセス キャンパス配置図 (東京経済大学ホームページにリンク) 参加費 1000円 (両日共通) 連絡先 朝鮮史研究会関東部会事務局 〒186-0004 東京都国立市中2-1 一橋大学大学院社会学研究科糟谷憲一研究室気付 FAX:042-580-8483 第1日(16日) 12時30分受付開始 講演 (1)壬辰倭乱と民衆 ―降倭についてのひとつの視点― 北島 万次 氏 (2)東アジア世界の中の日露戦争 ―韓国・朝鮮からの視点を中心に― 井口 和起 氏 総会 懇親会 6号館7階中会議室3 (参加費:一般4000円 学生3000円) 第2日(17日) 9時30分受付開始 統一テーマ 「朝鮮における宗教と国家」 (1)「和諍国師」追諡にみる高麗時代の国家と仏教 福士 慈稔 氏 (2)正朝・冬至の宮中儀礼を通してみた15世紀朝鮮の社会と宗教 ―朝鮮燕山君代の対明遥拝儀礼を中心に― 桑野 栄治 氏 (3)植民地期朝鮮における神社政策 ―「文化政治」期を中心に― 山口 公一 氏 (4)ディアスポラ亡命者たちによる朝鮮ナショナル・アイデンティティの創出 ―大倧教が大韓民国臨時政府運動に及ぼした影響を中心として― 佐々 充昭 氏 「大会テーマのねらい」 今回の統一テーマは「朝鮮における宗教と国家」と設定した。政教分離が原則とされる現今においては、一概には言えないが、少なくとも近代までの朝鮮社会を見る時、宗教を抜きにして考えるわけにはいかない。そこで今回は、過去の大会において国民国家の相対化に関わる議論が続けられてきたことを踏まえ、古代から近代までの諸国家の成立および維持において、宗教がどのように関わってきたかに焦点を当てる。 朝鮮においては、古代には仏教が、朝鮮時代には儒教が、植民地期には日本が設定した支配イデオロギーなどが宗教的権威として存在し、社会はそれらと無関係でいられなかった。各時代を通して、国家権力は社会に対し自己の正当性を誇示するために宗教的権威を動員し、当該宗教の教義に基づき国家儀礼などの形式を整え、それらを規定に則って執り行うことにより、その権威を内外に示し、かつ維持することのできるシステムを構築した。 もちろん、権力側が一方的に国家儀礼を強制した植民地期の事例もあるが、正当性を獲得するためには教団や民衆など社会の側から合意を得ることが最も重要であった。すなわち、社会の側のアプローチが国家の政策を規定する側面も考慮する必要があり、この点において国家と社会は相互規定関係にあったといえよう。 いっぽう、国家的宗教権威に対抗する側においても、対抗原理を新たな宗教に求めることもあった。とくに日本により国家を奪われた植民地期の朝鮮においては、建設されるべき国家の理想像が宗教を通じて形成され、民族運動を支える側面もあった。このように、国家の成立および維持に宗教が関わる形態は多様である。なお、教義や信仰など宗教そのものに対する視点も重要であるが、それに関しては討論の場に委ねたい。 今回の大会では、四人の報告者にそれぞれ古代から近代まで、国家と宗教をめぐり問題とされるテーマを取り上げていただく。各報告者により着目点とアプローチは異なるが、会場での議論を通じて朝鮮史において宗教がもつ歴史的な意味を考え、「朝鮮における宗教と国家」という新たな軸が見出せればと願っている。 (関東部会幹事会大会担当)
2004年10月16日(土)・17日(日)
会場:東京経済大学6号館7階大会議室
参加費 1000円 (両日共通)
連絡先 朝鮮史研究会関東部会事務局
第1日(16日)
12時30分受付開始
講演
(1)壬辰倭乱と民衆
(2)東アジア世界の中の日露戦争
総会
懇親会 6号館7階中会議室3
第2日(17日)
9時30分受付開始
統一テーマ 「朝鮮における宗教と国家」
「大会テーマのねらい」
今回の統一テーマは「朝鮮における宗教と国家」と設定した。政教分離が原則とされる現今においては、一概には言えないが、少なくとも近代までの朝鮮社会を見る時、宗教を抜きにして考えるわけにはいかない。そこで今回は、過去の大会において国民国家の相対化に関わる議論が続けられてきたことを踏まえ、古代から近代までの諸国家の成立および維持において、宗教がどのように関わってきたかに焦点を当てる。
朝鮮においては、古代には仏教が、朝鮮時代には儒教が、植民地期には日本が設定した支配イデオロギーなどが宗教的権威として存在し、社会はそれらと無関係でいられなかった。各時代を通して、国家権力は社会に対し自己の正当性を誇示するために宗教的権威を動員し、当該宗教の教義に基づき国家儀礼などの形式を整え、それらを規定に則って執り行うことにより、その権威を内外に示し、かつ維持することのできるシステムを構築した。
もちろん、権力側が一方的に国家儀礼を強制した植民地期の事例もあるが、正当性を獲得するためには教団や民衆など社会の側から合意を得ることが最も重要であった。すなわち、社会の側のアプローチが国家の政策を規定する側面も考慮する必要があり、この点において国家と社会は相互規定関係にあったといえよう。
いっぽう、国家的宗教権威に対抗する側においても、対抗原理を新たな宗教に求めることもあった。とくに日本により国家を奪われた植民地期の朝鮮においては、建設されるべき国家の理想像が宗教を通じて形成され、民族運動を支える側面もあった。このように、国家の成立および維持に宗教が関わる形態は多様である。なお、教義や信仰など宗教そのものに対する視点も重要であるが、それに関しては討論の場に委ねたい。
今回の大会では、四人の報告者にそれぞれ古代から近代まで、国家と宗教をめぐり問題とされるテーマを取り上げていただく。各報告者により着目点とアプローチは異なるが、会場での議論を通じて朝鮮史において宗教がもつ歴史的な意味を考え、「朝鮮における宗教と国家」という新たな軸が見出せればと願っている。
(関東部会幹事会大会担当)